手根管開放術について

【手根管症候群/治療編】
治療編では「鏡視下手根管開放術」について詳しく解説しています.従来の手術と比較し、傷が小さく回復が早いとされる内視鏡を用いた手術法の特徴や、実際の流れ、術後の注意点についても触れています.
鏡視下手根管開放術とは?
手根管症候群が進行し、保存療法では十分な改善が見込めない場合に行う手術です。
内視鏡(カメラ)を使って、手根管を圧迫している靱帯を切開し、神経の圧迫を解除します。
手術の適応となる例
・ 保存療法を続けても症状が改善しない
・ 感覚障害が常にある(24時間しびれている)
・ 親指の筋肉(母指球筋)がやせてきた
・ 神経伝導速度検査で重度の障害が認められた
・ 夜間の強い痛みで眠れない日が続く

手術の流れ
1. 局所麻酔で手首に麻酔を実施
2. 手首に約1cmの切開を入れ、内視鏡と特殊な器具を挿入
3. 横手根靱帯(屈筋支帯)を切開し、神経の圧迫を解除
4. 約10分で手術終了。縫合後は包帯固定でご帰宅いただけます


内視鏡を通すための手術創



正中神経
横手根靱帯を切開します
※イメージ図
③手術にかかる時間・通院回数・費用
・手術自体は約10分で終了
・点滴や説明を含めて手術室の滞在時間は約30〜40分程度
・日帰りでの実施が可能
・手術後1-2日に消毒、術後7-10日に抜糸、術後1か月経過診察、以降症状に応じて1-2か月毎の診察にご案内。抜糸後から患部を水で濡らすことが可能。
・手術後1-2日の消毒時、術後7-10日の抜糸の診察時に浮腫予防のリハビリを一緒にご案内

・費用
健康保険(3割負担)の場合、手術~抜糸までで約39,000円が目安です。手術前検査(採血・レントゲン等)は3割負担で約4,000円です。 初診で手術相談になった方は初診・手術・抜糸までで概ね52,000円が目安です。
④術後の生活と回復
・ 軽作業(PC入力・運転など)は数日〜1週間程度で再開可能
・ 重いものを持つ作業・重労働は術後2週間程度のお休みを推奨
(早期に実施可能な場合もありますが、疼痛が増すことを予防するため
2週間ぐらいは負荷を減らすことを推奨しています)
・リハビリは手術後1-2日の消毒時、術後7-10日の抜糸の診察時に浮腫予防のリハビリを一緒にご案内



院長による一貫対応で安心
整形外科専門医・手外科専門医・医学博士の院長が手術を担当。
2024年度は170件の鏡視下手根管解放術を実施。
術後の痛みや傷の目立ちにくさから、多くの方にご満足いただいており、日常生活への復帰が早いといったお声も寄せられています
(※個人差があります)。

※ピラーペインについて
鏡視下手根管解放術では、手のひらに傷をつけないためピラーペイン
(術後の手のひらの痛み)が出にくいとする報告が多くありますが、
従来法と発生率に大きな差はないとする研究もあり、術後の痛みには個人差があります。