へバーデン結節 指先の変形と痛みにお悩みの方へ
専門外来(院長外来)のご予約は日常生活に支障をきたす強い痛みで注射を希望する場合や著しい変形が続希、関節を固定する手術をお考えの方のみとさせていただきます。
へバーデン結節の変形自体を元に戻すことはできず、へバーデン結節に対する治療は痛みに対する治療(テーピングや漢方、貼り薬、塗り薬、消炎鎮痛剤など)が中心です。大きく変形して指が使いにくい場合や痛みのコントロールができない場合に第一関節を固定する方法があります。
へバーデン結節とは
へバーデン結節は、指の第一関節(DIP関節)に起こる変形性関節症の一種です。40代以降の女性に多く見られ、関節の腫れ、痛み、変形が徐々に進行する慢性疾患です。
一般的に50-60代にかけて痛みが続く傾向が見られ、変形が落ち着くことで痛みが消失することがほとんどです。
関節に水ぶくれのようなでっぱりができることがあります。これをミューカスシスト(粘液嚢腫)と呼びます。
似たような疾患として第2関節(PIP関節)に生じるブシャール結節があります。いずれも関節リウマチとは異なります

【主な症状】
- 指先の第一関節の腫れ・痛み・水ぶくれ
- 外観上の変化による不安や不快感
- 関節の変形やこわばり
- 使いすぎた後の不快感
治療について
保存療法について
(一般外来での対応となります)
ほとんどの患者様は保存療法で症状が緩和します。当院では、以下の方法を中心に治療を行っております。
1. 投薬治療(錠剤、漢方、湿布の写真を挿入)
・痛みや炎症のコントロールのため、消炎鎮痛剤(NSAIDs)やアセトアミノフェンの内服・外用薬を使用します。
・漢方:関節痛に関するものやホルモンバランスの変化・更年期の症状に対して有効な漢方の薬を使用します。
・夜間の湿布対応:就寝時に湿布を痛みのある関節に巻くことで動きの制限、鎮痛・抗炎症効果が期待できます。

2. テーピングによる関節サポート
・関節を覆うように2〜3周程度、軽くテーピングを巻くことで負荷を軽減し症状を緩和します。
・固定方法は、可動域を維持しつつ部分的に動きを制限する方法が望ましいです。
→ 保存的治療をご希望の方は、一般外来へお越しください。

3. 手の使い方
・同じものを持つ場合でも手の使い方によって指にかかる負荷は大きく変わってきます。
・普段の生活でかかる指の負荷を軽減することで痛みも軽減しやすくなります。


4. 関節腔内注射
・痛みが強い方に対して抗炎症効果がある少量のステロイド薬を注射します
・3日~1週間程度で効果がでてきます。持続期間は様々ですが、平均的に3週間~2ヶ月程です
5. ミューカスシスト(粘液嚢腫)に対する粘液穿刺・粘液嚢腫は自然に縮小することもありますが、なかなか改善しない場合に針で穴を開け、中身を取り出す方法があります。穿刺後は再発予防のため、1週間程度、患部を圧迫することが大切です。

(日本手外科学会より引用)
注意:嚢腫が破けてしまうと、菌が関節に感染してしまうことがありますのでお早めに相談ください
専門外来
(院長診察での対応となります)
保存療法でも日常生活に支障をきたす強い痛みや著しい変形が続く場合、手術が選択肢となることがあります。
【手術の適応となる方】
1.強い変形により関節が不安定・痛みが持続する方
2.変形により指に力が入れにくく、使いにくい方
3. 関節固定術を希望される方
【当院で実施している手術】
- 関節固定術(DIP関節) 第一関節(DIP関節)を固定することで痛みの原因となる動きを抑え、変形や痛みの進行を止める手術です。
※骨棘切除術は当院では実施しておりません。

第一関節をピンで固定し変形の矯正・固定を行います。第一関節は動かなくなりますが、痛みがなく安定して指が使える方が日常生活で便利なケースが多いです。強い痛みや著しい変形が続く場合にご案内いたします。